『往復書簡』 湊かなえ
往復書簡によって物語が進行し登場人物が会うことのない物語3編。 どれも着想は素晴らしく読みやすい作品だったなぁ 最初の「十年後の卒業文集」って作品では 女子特有の何とも後味の悪い 遠まわしで嫌味な言い方がリアルなんだけど そこにある真実と本音ってのがボヤケてて そう言うものだろうか?ってずっと考えてました。 ディテールに拘り過ぎたのかな? お次の 「二十年後の宿題」 やはりそれぞれのあの時を文章で表現すると それぞれの思いが強調されてて 今度は真実が重く苦しい。 最後の「十五年後の補習」 この三編に共通する”手紙”を読む相手に向けて込める思いと 届くまでの時間は思いに強い力が加わると思うんですよね。 どこかで見たアンケートで好かれる人って言うのは 誠実で信頼出来る人だそうで 最も最悪なのはやはり”うそつき”らしいです。 この物語にある真実を告白する人達は一体 自らを偽りながらその先にある真実を求め 過去をそして未来を変えたいと考えてるのだろうか? そんな気持ち分からなくもないけども・・ 不意に過去の出来事を思い出し その真相を知りたくなることってありますよね。 それが幸福でないにしても真実を知りたいって衝動。 本編と関係ないけど そんなことを考えてしまいました・・。